

小満 5月20日頃から あらゆる生命が満ちていく頃。
八十八夜と新茶の関係

「夏も近づく八十八夜♪」で始まる有名な童謡がありますね。
この歌は初夏の茶摘みの光景を歌った歌です。
八十八夜とは、日本に古くからある雑節の一つで、立春を1日目と数えて、88日目にあたる日を指します。この八十八夜は、現代の暦か旧暦かに関係なく毎年5月の初めで、春から初夏へと移り変わる季節に訪れます。今年の八十八夜は5月1日です。
古くから、八十八夜の頃を境に遅霜の心配がなくなり、農作業に最適な時季が来るとされており、八十八夜が種まきや田植えと、農業が本格的に始まる合図でした。
そして童謡で歌われている通り、この八十八夜は「新茶」の収穫時期にも最適なのです。
新茶がおいしいのはテアニンという旨味成分が多く含まれているためです。二番茶以降の3倍以上含まれているともいわれるそうです。
新茶は、収穫のタイミングが肝。
お茶は、発芽する前は寒さに強いですが、発芽した後は一転、霜に弱くなります。
また、葉が伸びれば伸びるほど、テアニンの含有量が減ってしまいます。
しかし、逆に早すぎてもほとんどが収穫をできません。
一番おいしいとされている「新茶」は、お茶農家の方が葉の成長、季節の進み具合を慎重に判断しながら収穫をしているのです。
遥か昔から、八十八夜が新茶の時期であることは変わりません。
冬の間じっくりと養分を蓄えた茶葉には、たくさんの栄養が含まれており、「新茶を飲むと1年間無病息災で過ごせる」とも言い伝えられてきました。
今も昔もこの時期に茶摘みをし、健康を祈りながら新茶を味わってきたのです。
◆新茶の美味しい味わい方
新茶は渋みや苦みが少なく旨味が多いため若葉のような爽やかな香りがあります。
爽やかな香りと程よい渋みを楽しみたい時は、やや熱めのお湯でさっと抽出します。
旨味をしっかり味わいたい場合はお湯を70度ぐらいまで冷ましてからじっくり抽出しましょう。
初物好きの日本人

新茶の他にも、日本人は古くから「初物」を縁起物として好んできました。「初物七十五日(初物を食べると寿命が75日延びる)」ということわざがあるほどです。
江戸っ子たちはいち早く季節を味わうことをに喜びを感じていたようです。
特に初夏に出回る「初鰹」を食べるのは粋の証となり、初鰹を食べると長生きできると大変珍重されました。
「目には青葉 山ほととぎす 初鰹」など、初鰹を詠んだ有名な句も多数あります。
初鰹が味わえる季節はだいたい3月から5月ごろ。旬を逃さずぜひ味わいたいですね。
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